日本百名山の1つ、神奈川県の丹沢山へ日帰り登山の様子をまとめました。
今回は登山レポのテーマは登山のリアル。
多くの登山情報は、検索しても雲一つない風景写真ばかり上がっています。
しかし登山をしたことがある人なら、あんなにすこーんと晴れた日は多くないことを知っているかと思います。
これは実態を表していないと思うのです。
そう、今回の登山の天気は曇り。
梅雨の合間の晴れのタイミングを見計らって、晴れの天気予報の日に訪問しましたが、快晴でも雨でもなく曇りという、ネタ的にはなんとも言えない状況でした。
毎日のように雨が続く今年の梅雨は手強かった。
悔しいので曇り登山の様子を写真をふんだんに?お伝えします!
登山玄人の方は読み飛ばしてください!
記録動画
今回の登山中にGoProで撮影していた動画をまとめました。
どのような様子だったか、よりお分かりいただけるかと思います!
ちなみに、以下のページでは、今回の動画のほかにも撮影した動画をいろいろまとめています。
丹沢山ロケーション
俗に「丹沢」というと、神奈川県西部の「丹沢大山国定公園・県立丹沢大山自然公園」の辺りの範囲をまとめて指すことが多いように思います。
その中で、自分が訪問したのはその中心とも言える丹沢山になります。
この山の魅力は都心などから日帰りでアクセスできるその気軽さでありながら、その頂上付近からは、凛々しい富士山をはじめ、神奈川県の街並みを見下ろすことができる景観にあるかと思います。
登山ルート
丹沢山登頂にはいくつかのルートが設定されています。
公共交通機関を利用する場合は、⑥塔ノ岳コースが一般的かと思います。
上記の地図では塔ノ岳までのルートしか記載がありませんが、
⑥塔ノ岳コースで、塔ノ岳に到達した後、その先の丹沢山まで進んで、そのまま秦野ビジターセンターへ戻ってくるピストンの行程が主な選択肢。
今回、自分はそのルートで登頂しました。
秦野ビジターセンターへ向かうための最寄り駅は小田急渋沢駅。
そこからバスで登山口に近い大倉バス停へ向かいます。
秦野ビジターセンターは大倉バス停の目の前にあります。
ちなみにこの地図の中にある塔ノ岳や鍋割山、大山は丹沢の中でもアクセスが便利であり、多くの人で賑わっているスポットです。
事実、自分が登った際は、塔ノ岳を最終ゴールにしている人が多い様子で、丹沢山山頂の何倍もの人が塔ノ岳山頂に滞在していました。
登山口(大倉)へのアクセス
新宿駅起点では、以下のルートが始発のバスに乗車でき、一番早い時間に到着できます。
■新宿駅~登山口最寄バス停:1時間36分
・5:27 新宿発急行新松田行 → 6:44 渋沢着
・6:48 渋沢駅北口バス停 → 7:03 大倉バス停着
※平日、土・日曜すべてほぼ同じスケジュールです。
※電車着からバス発車まで4分しかないですが、バス停は駅北側出口の右側の階段を降りてすぐなので、トイレなどに寄らなければ間に合います。
※一方、特に土日はバスが満車になる可能性があります。事実、自分の時は、5人ほど乗車できず次のバスを待つことに。ただし、土・日曜は15分ほどの間隔で発車する頻発する路線なので、焦らなくても大丈夫です
渋沢駅→大倉 時刻表(神奈川中央交通HP)
今回の登山ルート & 登山難易度
大倉バス停~丹沢山の各スポットに到達した時間をまとめてみました。
※openstreetmapでは登山ルートまで記載がありました。ただし標高や等高線などの記載は無いので、登山マップは必須です
所要時間
スタート:7:20 → ゴール:15:15
自分の記録では休憩を含めて8時間弱の行程。
標準タイムよりはやや早く、元気な学生や、登山慣れしている人には抜かされていく程度のスピードでしょうか。
一般的には丹沢山の日帰り登山は、登山経験や体力に自信がある人のみ向けとされています。
自分は年数回の登山のほか、普段から週2~3程度で15km走るか、野球やサッカーなどの運動をしているので、体力や健康面は一般的な平均よりは多少気を遣っている方だとは思います。
ただし、結果日帰りではなかなかキツい印象でした。
筋肉痛が一週間続いています。階段が辛いです。
なお、ほぼ夏至の時期に登ったので、制限時間的にはあと2時間以上余裕はあったもしれません。
ただ、時期や体力を考慮すると誰もが日帰り出来るわけではない行程であることを実感します。
塔ノ岳自体が人気のゴール地点となっていることもあるので、そこが1つの区切りになるかと思います。
塔ノ岳まで登った時の所要時間や体のコンディションを見て、丹沢山まで進むか、そこで折り返すのかを決めるのがよいかと思います。
難易度
一方、登山ルートはほぼ階段のようになるよう整備されていて、それほど難しいルートはありません。
ロープをつたっていくようなポイントは皆無です。
※逆にそれが辛いという人も多いようですが。ただ階段上になっているのは板の下に空間を作り、植生を守る目的もあるようです
トレランを行っている人も多く、無理して登山靴でなくても滑りにくいトレッキングシューズ程度でも十分ではないかと思います。
もちろんスニーカーは不可です。
様子を見て、もし厳しければ塔ノ岳などで引き返せばよいかと思います。
登山の様子
(7:20発)大倉バス停(秦野ビジターセンター)
渋沢駅からバスで10数分で、大倉バス停に到着。
バス停の目の前の秦野ビジターセンターは登山客に必要な設備が整っています。
インフォメーションセンターやトイレ、カフェや自動販売機、登山計画書提出窓口などなど。
始発のバスで到着したはずですが、既に多くの人で賑わっていました。
この時は本当にいい天気だった…。
連日雨続きの梅雨の合間に、いい登山日和のタイミングを引いたと思っていました。この時までは…。
ここから登山口までは徒歩10分弱。
その間には、登山客向けの駐車場が多数ありました。パッと見たところ1日500円が相場のようです。
10分弱歩いて上の地図の黄線から、登山道が始まります。
初めのうちは、車も走れる舗装路が10分ほど続きます。
登山口から10分ほど(?)で、舗装路が無くなりいよいよ登山らしくなってきます。
この辺りは高木が並び、写真の通り木陰の中を進んでいきます。
この時は晴れていましたが、前日までずっと雨続きだったため、ところどころぬかるんでいます。
途中で5分ほど遠回りとなる迂回路があります。
自分は塔ノ岳に一直線に向かったので、大観望は訪問せず。
ちなみに写真は、迂回してきたルートと後で合流する地点です。下りの際は矢印の方へ向かうと迂回して大観望を経由して大倉バス停に戻ることになります。
(8:00着)見晴茶屋
大倉バス停から40分ほど歩き、傾斜も徐々にきつくなってきて、全身が汗ばんできた頃に見晴茶屋に到着。
見晴茶屋は手入れがされている綺麗なロッジです。ただし、見た感じでは行きも帰りも閉まっている様子でした。もしかしたら開いていたのかな…。
ただ、座るのにちょうどいいベンチのような設備やトイレがあるので、ここで休む人も何人かいらっしゃいました。
ちなみに茶屋の正面の風景はこんな感じ。
既にそれなりの高さまで登ってきているのが分かります。
自分はここでは止まらずに、そのまま歩き続けます。
見晴茶屋前後は、比較的急な登りが続きます。
登山経験者は、このルートは面白みが無いと評価する人も多いですが、特にこの辺りは数十分間このような登りがダラダラと続き、体力的にはしんどい区間でした。
ただ、心が折れかかってくると尾根の平らな箇所になり、モチベーションが復活します。
こういったスポットがところどころあるので、このルートは初心者の人でも比較的気力を保ちながら登り続けることができるのではないかと思います。
ただ、すぐにこういった登りに…
心なしか、周りの人も疲れている様子が感じられます。
(8:30着)駒止茶屋
そうこうしているうちに駒止茶屋に到着。
ここも見晴茶屋同様、行き帰りで、特に開いている様子は見受けられませんでした。
ただし登り始めてから1時間と少しで、休憩にはちょうどいいタイミングかと思います。
自分が登っていた時は、周りの人はここをそのまま通り過ぎてガシガシ進んでいきます。
朝の早い時間帯から登り始めている経験者が多いからか、ここで休憩している人は数人程度で少なめでした。
きっと何度も登っている人も多いのだと思います。
ここから先はやや平らな尾根が続きます。
今回の登山ルートも中盤に差し掛かったところで、一番のまったりスポットです。
(8:50着)堀山の家
まったりスポットを15分くらい歩いた後、最後に少し登ると堀山の家に到着。
この辺りが、塔ノ岳までのちょうど中間に当たります。
丹沢山を目指すなら、1/3程度といったところでしょうか。
宿泊3000円やジュース250円、ところ天300円などのメニューが記載されています。
行きの時は閉まっていたものの、帰りは開いていました。
前にはテーブルやベンチがいくつか設置されています。
ここでは多くの方が休憩しており、自分も初めて10分ほど休憩しました。
後から分かったことですが、この後は次の茶屋まで自分のペースで40分ほど、まあまあの急な斜面がずっと続いていきます。
多くの方がここで休憩していたのも納得です。もし自分がもう一度同じルートで登ることがあれば、きっとここで休むと思います。
事実、この後の40分ほどの登りの間に撮った写真は、謎の看板1枚だけでした。
きっと平たいところに出たから安心して写真を撮ったと思いますが、俺はなぜこの写真を撮ったのか。
とりあえずロープには掴まないようにしましょう。
きっと後でアップする動画には、この辺りの様子もとらえているはず…
(9:40着)花立山荘
比較的な急な登りがずっと続いて、息が切れ始めたころに花立山荘に到着。
この時は、ちょうど薄日の晴れ間が見えていますね。
この辺りから曇り空になってしまい、ずっと白い景色の中進んでいたので、この登山最後の日差しで貴重な光景です。
本来であれば、この山荘に到着する直前には、眼下に街並みが広がるいい景色が望めそうでしたが、もうすでに見ることができず…。
個人的には少し辛い区間でしたが、もし晴天であればいい景色を望め、元気を分けてくれる区間かもしれません。
なお、この茶屋の名物はかき氷のようです。
500円+ミルクトッピング100円の記載があります。
上の写真でもかき氷を運ばれている方がいらっしゃいますね。
この茶屋の裏手にはトイレもありました。
概ね1時間おき程度の間隔でトイレを見つけることができた気がします。100円のチップトイレです。
自分は大量の汗をかきながら登っていたせいか、往復8時間一度も行ってませんでした。
この山荘を越えると、再び登りがメインとなります。
この辺りも写真が無い…
(10:00着)金冷シ
花立山荘から20分弱でT字路になっている金冷シに到着。
右に行くと、今回の目的である塔ノ岳→丹沢山へ、左に行くと人気スポットである鍋割山へ繋がります。
様子を見ていると、鍋割山と塔ノ岳の2つをぐるっと巡っている人も多いようですね。
この辺りのルートの詳細は、冒頭の地図や登山マップをご確認いただければと思います。
この辺りまで来ると、風景自体も山深く尾根を感じさせる風景になってきます。
ここから塔ノ岳は15分ほど。
もう少しです。
(10:15着)塔ノ岳山頂
ということで1つの区切りである塔ノ岳に到着。
既に多くの人で賑わっています。
肝心な風景は曇りですが、まあ何とか雰囲気は感じることができるといったところ??
天気が良ければ綺麗な富士山が目の前にそびえ立っているらしいですが、見ることができませんでした。残念。
下界の朝一が快晴だったとしても、ここまでの天候の変化は普通に起こりえるのが山の天気ですね。
むしろ特定の場所から雲がもくもくと沸き立っている不思議な光景が見られました。
写真でも何となく伝わると信じていますが、この右の垂直に登る雲は、目に見えるほどの流れで下からもくもくと沸き立っていました。
こんなに明確に分かれるものでしょうか。
なお、ここの山荘はとても大きく立派な設備です。(利用していないですが…)
缶ビールは500円。カップヌードルは350円。
みんなで登っていたら普通に注文していたと思います。
休憩もほどほどに、本来の目的地である丹沢山へ向かいます。
確信は無いのですが、おそらく右側の雲がかかっていない高い方の山が丹沢山だと思っています。
写真の枠外の右側から尾根をつたっていきます。
雲がかかっているのは丹沢エリア最高峰の蛭ヶ岳や不動ヶ峰の方だと思います。
違っていたらすみません。
ここから片道1時間ほどのルートですが、初めのうちは塔ノ岳から数十メートル下りたりと、細かなアップダウンがずっと続きます。
尾根づたいとはいえ、なかなか足にきます。
この写真は塔ノ岳から下りている途中を振り返って撮影したものです。
登山した人なら誰もが感じる「どうせ後で登るんだったら下りるなよ…」という思いを持ってしまうところです。
塔ノ岳までは、前後ほかの登山者が常に見えていましたが、丹沢山へ向かうルートになると一気に減りますね。
ただし、途中開けた風景が広がるので、ここまで来たら訪問したいところです。
晴れてたら開放感あってよさそうな風景ですね。
丹沢山への登山ルート紹介でも、この辺りはよく見る光景な気がします。
ただ、すぐに登るのですが…
塔ノ岳までに限らず、ここのルートも階段を中心とした登山路が整備されています。
単純に登りやすくするためものかと思っていましたが、その割には登山者から「逆に足が疲れる…」という意見も散見されます。
何でそこまでしてこんなに整備するのかと思っていましたが、どうやら下の案内板を見ると土壌や植生保護のためだったんですね。
当の登山道自体は、引き続きアップダウンが続いております。
ここは再び「どうせ後で登るんだったら下りるなよ…」スポットでしょうか。
丹沢山までの1時間はこういった道が中心だった印象です。
そんなこんなで丹沢山頂へ向かっていきます。
(11:28着 / 12:06発)丹沢山山頂
7時20分に登り始めて4時間ちょい。
ついに丹沢山山頂に到着。
さあ、その山頂からは一体どんな風景が広がっているのか…!?
見せてごらん、その風景を!
分かっていたけど、見事なまでの曇りです。
風景が綺麗に灰色1色…!
もう、合成のために手前の部分だけ切り抜いたのか、と思わせる光景です。
頂上の様子はこんな感じ。
山荘が1軒と、テーブルが10数人ほどの分と、測量基準点があります。
測量基準点はいいですね。しれっと存在していて陰の功労者感が堪りません。よく知らないですが。
下界から持ち込んだおにぎりなどを食べて、体力を回復させます。
山荘は少し入ったところにあったこともあり、どんな様子か確認せずに後にしてしまいました。
ここからは一気に下っていきます。
登ってきた道と同じところを戻るので、さっさと下山を目指します。
が、当然さっき上り下りしてきた微妙なアップダウンを再度通らなくてはなりません…
この頃には足はもうパンパンです。
(12:58着)塔ノ岳山頂
10分ほどだけ早く、50分かけて塔ノ岳へ戻ってきます。
頂上は先ほどよりもさらに多くの人で賑わっていました。200人くらいはいたんじゃないかな。
天気は先ほどよりも曇っている印象です。
鍋割山経由で登ってきた人や、自分よりも少し遅く9時頃に登り始めた人がちょうど着くころでしょうか。
休みもほどほどにガンガン下っていきます。
(13:21着)金冷シ
金冷シを少し過ぎた辺りで途中、曇りながら少しだけ風景を楽しめる瞬間がありました。
この辺りは植生も低く、晴れていればいい景色がかなり望めそうな気がします。
(13:32着)花立山荘
この辺りではまだまだ多くの登りの登山者と多くすれ違います。
(14:02着)堀山の家
行きは40分ほどかかったこの2つの山荘間も、下りは休憩入れておおよそ30分弱。
行きと比較して概ね3/4のペースで進んでいきます。
行きは閉まっていた堀山の家も、この時はオープンしていました。
堀山の家を過ぎると、比較的平らな区間が続きます。
行きもそうでしたが、心が折れたり飽き始める中間辺りにこういった道がくると元気が出ます。
(14:18着)駒止茶屋
平坦な道もほどほどに、行きでは急な登りが続いていたところにあった駒止茶屋へ到着。
足がガクガクです。
(14:40着)見晴茶屋
この辺りまで来るともうゴールは目の前です。
とにかく早く下りてコーラを飲みたい一心だったので、やっぱり写真がありません。
動画は残っているはず…。
そうこうしているうちに、登山口に15時過ぎに到着。
この登山口付近には、いくつかの自動販売機があるので、500mlのコーラをがぶ飲みです。
(15:15着)大倉バス停
停登り始めて8時間弱。
無事にスタート地点である大倉バス停へ戻ってまいりました。
登山口から10分ほどでバス停や、これだけの施設があると助かりますね。
トイレ前には登山靴を洗うための水場も2つ備わっています。
たわし付き。
ちなみにバスの時刻表はこんな感じです。
15:10から17:48まで本数が多めになっています。
一番重要な休日16時台の時刻が見づらい…。最後は55分ですね。
通の便がよいので、新宿駅には17時30分頃には戻ることができます。
という曇りの中での登山となりました。
残念ながら澄み渡る風景は楽しめませんでしたが、雨さえ降らなければこの程度の登山が楽しめる、ということがお分かりいただけるのではないかな、と思います。
そして何より健康にもよいですね。
初心者~中級者向けの山と言われているようですが、ふくらはぎの筋肉痛はしっかり1週間続きました。
次は雲取山かな…。これも日帰りはギリギリレベルらしいですが、いけるものかな。
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