夕立が多い真夏の不安定な天気の合間をぬって、
東京都最高峰の雲取山へ日帰り登山に行ってきました。
雲取山は通常1泊2日が推奨されていますが、
結果は最寄のバス停からの所要時間は8時間程度と、何とか日帰りを達成。
ただし当日は3:30起き。
普段からトレーニングはしているつもりですが、体力的にはなかなか厳しい行程となりました。
そんな自分の当日の様子をまとめてみました。
記録動画
今回の日帰り登山の様子を動画にもまとめまています。
特に頂上付近で曇っていましたが、ところどころで垣間見える壮観な景色が
お分かりいただけるかと思います。
ちなみに、以下のページでは、今回の動画のほかにも撮影した動画をいろいろまとめています。
雲取山ロケーション
雲取山は、島嶼部を除いた東京都の最西部といえるエリアにそびえています。
山頂はちょうど、東京都と山梨県、埼玉県の3つの都県の境になります。
東京都の住所は奥多摩町になります。
登山ルート
3つの都県にまたがることもあり、頂上へはいくつかのルートが設定されています。
主なルートは次の2つが挙げられます。
・鴨沢ルート:南側の東京都、山梨県の奥多摩湖脇からのルート
※奥多摩観光協会HP
・三峰神社ルート:北側の埼玉県の秩父の奥からのルート
※秩父観光協会HP
今回の登山ルート
今回は日帰りで到達するために、自宅方面から近い鴨沢ルートのピストンでチャレンジしました。
■所要時間
スタート:8:01 → ゴール:16:23
※青線は以下の通り
・留浦バス停~鴨沢:行きのみ歩きで移動(帰りは鴨沢バス停から乗車)
・七つ石山付近:下りは主要ルートから外れた、比較的平坦な迂回ルートを利用
難易度
全体的にダラダラとした登りがずっと続くため、難易度は高くないといえます。
ただし、七つ石山前後はやや急な登りでした。
トレランを行っている人も多く、全体的に体力勝負といえるルートかと思います。
そのほかに要注意事項として、熊の出没が挙げられます。
奥多摩ビジターセンターに掲載のある通り、かなりの高頻度での目撃情報があるようです。
※奥多摩ビジターセンターHP
スケジュール
※今回は公共交通機関利用・休日ダイヤを前提に紹介しています。
(2021年8月当時。2022年3月現在、ダイヤ変更が行われたようですが、この時間帯は鉄道とバスともにほぼ同様のスケジュールのようです)
■新宿駅~登山口最寄バス停:約2時間
自宅~奥多摩駅
自宅から最寄りの鉄道駅である奥多摩駅へは、始発で7:18着。
そこから登山口近くの鴨沢バス停へ向かいます。
奥多摩駅~最寄バス停(鴨沢)
ややこしいのは、奥多摩駅の目の前のバス停から登山口のある鴨沢バス停までは以下の2パターンが存在します。
2つのパターンを合わせると、概ね30分に1本程度の本数が走っています。
・奥9or10:奥多摩駅→【鴨沢バス停】直通
・奥11or12:奥多摩駅→【留浦バス停】(鴨沢バス停2つ手前)下車→(徒歩8分)→鴨沢バス停
鴨沢バス停まで直接向かうことができれば多少楽ですが、対象のルートの本数は、留浦バス停までの本数のおおよそ半分程度。
多くの方にとっても始発となるであろう奥多摩駅7:18着の場合は、
手前の留浦バス停までのバスに乗車することになります。
とは言っても、留浦バス停から鴨沢バス停までは片道8分程度の道のりなので、
変に鴨沢バス停直通にこだわる必要はないかと思います。
※詳細はこちら(西東京バスHP)
(奥14と奥15は鴨沢にも留浦にもどちらにも向かわないようなので要注意)
なお、帰りの鴨沢バス停から奥多摩駅行きの時刻表は以下の通りです。
留浦バス停からの時刻も枠外に記載があります。
最終バスは、留浦19:24発になりますでしょうか。
理想は鴨沢16:33発です。これを逃すと、次の留浦18:05発と1時間半ほど開いてしまいます。
登山の様子
今回の所要時間は8時間(登り5時間、下り3時間)程度でした。
登山慣れしている人は8時間未満で到達する人も多いようですが、
標準の所要時間は11~12時間程度で、1泊が推奨されています。
実際の登山口は小袖乗越になります。
その直前に駐車場があるため、車で向かうと鴨沢バス停からさらに片道30分程度短縮することができます。
(8:22発)鴨沢バス停
鴨沢バス停は実質登山の準備スペースとなっています。
写真の左側の白い建物は公衆トイレです。
ベンチの奥には登山計画書設置用のポストが設置されています。
袋の中の用紙とペンにて提出します。
バス停の右脇の階段を登って、いざスタートです。
早速、この裏手でどこへ向かえばよいか分かりづらくなっていますが、
階段を出て右側へ進むと登山口へ繋がる坂道が見えてきます。
舗装道を登りきると、既に見晴らしの良い景色が広がります。
この舗装路が終わった後の20分ほどは、一時的に山林の中に入っていきます。
この区間の写真を撮っていませんでしたが、動画にはまとめていますので、
様子についてはぜひ上記の動画からご覧ください。
この区間の山林を抜けると、舗装路が伸び駐車場が見えてきます。
もし車で、この小袖乗越近くの駐車場まで向かうことができれば、
鴨沢バス停からここまで片道約30分ほどの時間をセーブすることができます。
この時間は写真のようにずらっと並んでいますが、
下山時にはかなりスペースが目立っていました。
この帰りの様子も、上の動画で垣間見ることができます。
雲取山の日帰りにチャレンジする場合、始発で向かったとはいえ、この時間帯のスタートだとやや遅めのタイミングかもしれません。
雲取山は鬼滅の刃の主人公、炭次郎の出身地という設定です。
まだまだ写真のようなお馴染みの市松模様を地にあしらったのぼりが、たくさん見られます。
(8:51発)小袖乗越
舗装路をしばらく進むと、小袖乗越の登山口に到達。
この舗装路の脇道を登っていきます。
ここから本格的な登山の開始です。
なお、案内板の一部に熊出没の注記があります。
熊に対する意識の高さがうかがえます。
登山口からしばらくは、高い木々に囲まれたダラダラとした上り坂が続きます。
この辺りの登山の様子の写真が無いので、ぜひぜひ動画をご覧いただきたいと思います。
この日は東京都心で最高気温が35℃くらいまで到達する比較的暑い気候でしたが、
木々の影のお陰で、それほど暑さを感じずに登ることができました。
そんな中、動画だけでなく写真でも収めた一枚がこちら。
登山口から15分ほど登ったところの登山道のすぐ脇に廃屋がありました。
一部の人の間では勝手に炭治郎の家と重ね合わせているようです。
ただし、特に何がある訳でも無く、これといった情報も見当たらないので、多くの人にとっては
「こんなところに廃屋があるんだ」
と思って終わりだと思います。
ダラダラとした上り坂のエッセンスの1つとして、
勝手に聖地巡礼として楽しんでみてはいかがでしょうか。
もう1つの上り坂のエッセンスは、平将門迷走送ルートの案内。
どうやらこの鴨沢ルートは、かつて平将門が迷走したルートらしく、
ポイントポイントで、平将門が休憩したり、風呂入ったりといったエピソードを紹介しています。
15分おき程度の頻度で立てられいるので、単調な登りに1つの楽しみを加えてくれます。
ただし、自分は時間に追われていたこともあり、まともに読めていません…
なお、登山口から1時間後ほど登ったところには、水場も存在していました。
自分は大量のスポーツドリンクを持参していたので不要でしたが、
冷たくておいしい水を汲むことができるようです。
なお、この水場のすぐ脇には、
登山口から雲取山までの行程のうち1/6である旨の案内が掲げられていました。
ここまで1時間かかった人は、この先5時間、合計6時間かかるという記載があります。
まさに自分がここまでちょうど1時間かかってました。
既に10時くらいの時刻となっていたので、単純計算で頂上到着が15時になってしまいます。
その場合、最終バスの留浦19:24発まで、下りにかけられる時間は4時間30分弱と、
かなり厳しそうなスケジュールとなってしまいます。
ただし、あとから振り返ると、この先にかかった時間は3時間強ほどで到着できたので、
この案内板の表示は少し厳しめだったかと思います。
(10:13着)堂所
1/6の行程案内を後にして歩き始めると、ほどなくしてよくチェックポイントとして利用される堂所着。
この辺りは、風景が代り映えしないこともあり、画像を全然抑えていませんでした…
ずっと登山口と同じような、木々に囲まれた上り坂が続いています。
この辺りの様子は、動画には抑えているので、引き続きまたご覧いただければと思います。
また、この堂所から10分ほど歩いて、10:23に通り過ぎた辺りに、
登山口から1/3の行程である旨の案内板を見かけました。(これも動画にあります…)
先ほどの1/6案内板から30分ほどの間隔です。
この1/3の行程の案内まで、登山口からの登り始めから90分後程度かかっています。
そうなると、単純計算であと3時間、合計4時間30分かかり、12時30分到着予想となります。
雲取山山頂に到達したのは13時頃着だったので、
この1/3の行程の案内の方が、先ほどの1/6の案内よりも実態に合っているように思われます。
なお、この辺りから坂が少し急になってきた印象があります。
徐々に膝に手を付ける回数が増えてきました。
この辺りでは、雲取山へ向かうための分岐ルートいくつか現れます。
少し複雑なルートのため、詳細な地図を確認いただきたいですが、概ね以下の内容となります。
・右側:七つ石小屋と七つ石山頂を経由して雲取山へ(主要ルート)
・左側:上り下りを避け、七つ石小屋と七つ石山山頂によらず雲取山へ(迂回ルート・まき道)
体力にもよりますが、雲取山を目的とする場合、
左側の迂回ルートの方が、5分程度の時間を短縮できるのではないかと思います。
なお、自分は主要ルートを選択しました。
(10:54着)七つ石小屋
きつい登りが続く中で、七つ石小屋に到着です。
この前のベンチで10分弱休ませてもらいました。
小屋のサービスは、登山ルートから反対側へ回って利用するようです。
晴れていると、そこからの見晴らしがいいそうです。
この時、既に曇り始めていますね…。
なお、この小屋の前には1/2の行程の案内がありました。
この1/2の行程は、後から自分の結果を見ると、ほぼぴったりでした。
登り始めてほぼ2時間、ここから雲取山頂上までほぼ2時間かかっていました。
この七つ石小屋前後の登山ルートは、全体的にダラダラとした登りの鴨沢ルートの中でも、
やや急な登りが続きます。(様子は動画にて…)
七つ石山頂の直前に尾根に到達しますが、ここでようやく一息つくことができます。
途中、小さなお堂のようなものも。
(11:28着)七つ石山
この尾根を少し歩くと、七つ石山に到着です。
ここが雲取山までのルートで、最も分かりやすいチェックポイントになるかと思います。
天気は七つ石小屋の辺りからずっと曇ってしまっていました。
それでも眺望は少し感じ取ることができます。
写真を撮影したタイミングでは、少し晴れ間が覗いています。
登山口からここまで2時間半ほどで到達していますが、時間もそれほど余裕がある訳ではないので、
休憩もそこそこに、雲取山へ向かっていきます。
七つ石山からは、100mほど一気に下っていきます。
ここまでずっと登りだったので、やっと楽な気持ちにさせてくれますが、この下りた分、後で登らなくてはならないですね…
(11:41着)ブナ坂
10分ほど歩くと、七つ石山と雲取山の間の最低地点であるブナ坂に到着です。
七つ石小屋の直前にあった分岐で左側の迂回ルートを選択すると、
ここへ直接到達することになります。
ブナ坂では、平将門迷走ルートの最後の案内が。
ぜひ、現地でそのストーリーをお楽しみください。
ここからしばらくなだらかな尾根道が続きます。
見晴しも良くなってきて、この辺りでは一時的に日が差してきたこともあり、
歩いていて一番気分がよい区間でした。
しばらくすると、登山者の中で有名なダンシングツリーが見えてきました。
左側の木が面白い角度でクネクネしているので、そう呼ばれているようです。
周りに遮るものが何もなく、とても目立っています。
この先をさらに進むと、チェックポイントとしてもよく利用されているのが散見される、ヘリポートが見えてきます。
晴れていれば見晴らしが良さそうです。
なお、この辺りはテント設営が禁止されています。
このヘリポートを過ぎた辺りから、また登りが急になってきます。
その分、坂を登った後の景色が格別になってきます。
雲取山登山のイメージ写真としては、この辺りの景色がよく使われているかと思います。
(12:40着)小雲取山
雲取山の直前には小雲取山と呼ばれる、尾根の中でも少し標高が高い地点を通り過ぎていきます。
とは言っても、自分もその存在は知っていたものの、
登っている最中は特に気付かず、後から地図を見て確認しました。
確かに後からこの辺りの写真を見返してもこれといった景色の違いは無いので、
判別するのが難しいです。
そしていよいよ前方に目をやると、頂上の様子が垣間見えてきました。
山頂のすぐ脇にある避難小屋が遠くに見えます。
写真は望遠なので、比較的近くに見えますが、小雲取山から雲取山までは20分ほどかかっていたようです。
そしてこの避難小屋の直前の急坂を登ると、いよいよ頂上です。
(13:01着/13:22発)雲取山
ちなみに、この避難小屋から頂上は1分ほど離れていますが、
山梨県が避難小屋の脇に山頂のような碑を立てており、
頂上と紛らわしいと、これまたある種の名物となっています。
山頂の様子はこんな感じです。
曇ってますね…。
ただし、この時の山頂の気温はおそらく20℃弱、薄曇りの微風で結果、登山には最適なコンディションだったかと思います。
そして、時間が心配でしたので、20分ほどの休憩で早々に下山を開始し始めます。
(14:24着)ブナ坂
この辺りはピストンで戻るだけなので、特に写真を撮影しておらず…。
(例によって動画は残しています)
上りの際のブナ坂→雲取山山頂は90分ほどかかっていましたが、下りは60分ほどの所要時間でした。
おおよそ2/3のペースです。
そして、ブナ坂からは行きで寄った七つ石山には寄らず、迂回ルートで平坦な道を進むことにします。
この区間は少し道幅が狭いですが、大きな上り下りが無いのでサクサク進むことができます。
途中には七つ石山を避けながら、七つ石小屋へ向かう分岐があったりと、
地図が頭に入っていないと少し混乱をしてしまうかもしれません。
当の迂回ルートは一部で橋がかかったりしています。
雲取山が全体的にダラダラとした道が多いので、こういった橋が珍しく感じます。
(15:15着)堂所
(16:07着)小袖乗越
(16:23着)鴨沢バス停
登りの際に見た分岐に戻った後は、登りと同じルートをそのまま戻り、鴨沢バス停まで戻っていきます。
またまた例によって、この辺りの様子は動画で残っています。
結果、下りの所要時間は約3時間。
登りは5時間、下りは3時間の計8時間の行程でした。
途中、雲取山山頂を諦め、折り返すことも視野に入れていましたが、
結果、理想としていた鴨沢バス停16:33発に乗車することができました。
バス停の近くには自販機や飲食店もあり、早めに到着してもゆっくりと休むことができます。
何とか日帰り登山を達成できましたが、体力的にはなかなか厳しい行程となりました。
今の自分の体力的には、雲取山日帰り登山くらいがギリギリかな、と思われます。