旅情を感じられたり、舞台となっているその地域のことをもっと知りたくなる世界の映画を、ネタバレ無しでピックアップしました。
その地域が映画の舞台になっているだけでなく、完全フィクションの内容でもその地域が映画の世界観のモデルとなっているものも対象としています。
自分は特に映画マニアではなく単なる一人のバックパッカーなので、映画自体のクオリティだけでなく、より旅行を楽しむことができる映画、という要素が強くなっているかもしれません。
もちろん、純粋に映画自体が面白かったものを中心にピックアップしています。
ちなみに付記している地図は、主要なロケ地と思われるポイントに落としてみました。
まだまだ情報は少ないですが、日々更新していきたいと思います。
個人的おススメ度目安
★★★★★:最高
★★★★☆:2回見たくなるレベル
★★★☆☆:オススメ
★★☆☆☆:ほかの映画より見ることをオススメ
★☆☆☆☆:とりあえずご紹介
AJIA
Korea -韓国-
パラサイト 半地下の家族 ( 2019 / 日本2020 )
おススメ度:★★★★☆
言わずとしれた2020年アカデミー賞作品賞受賞。
ロケ地がソウルの周りに実際にあるということで、巡礼もしやすいようですね。
一度見たら誰かとただただ語りたくなる映画です。「カメラを止めるな!」もそうでしたが、そういった衝撃として過去最高。
Taiwan -台湾-
KANO 1931海の向こうの甲子園 ( 2014 / 日本2015 )
おススメ度:★★★★☆
1931年、台湾が日本の統治下の時代に、野球弱小校が強豪出身の日本人監督のスパルタ的指導により甲子園出場を果たすという漫画のような話だが、実話を元にした映画。
日本での公開当時から映画の存在は知っていたが、台湾制作の映画とは知らなかった。
歴史背景によりさまざまな感情を持っている人が多いので紹介するのもセンシティブになってしまうが、純粋に映画はとても感動的で約3時間の長丁場も感じさせない内容です。
映画を見終わった時には、あまり観光地としては脚光を浴びることは少ない嘉義に対して、勝手に愛着を感じてしまいます。
映画でも取り上げられている、八田與一が手掛けた烏山頭ダムなどを訪問したくなるかもしれません。たまにテレビで取り上げられたりしていると、ただ映画を見ただけなのに注目するようになってしまいます。
映画としては(高校)野球がテーマなので、旅行好きよりもむしろ野球好きな人の方が楽しめるかもしれません。そういった野球と親和性の高いスポコン&故郷を背負う使命感といった熱い思いを思い出させてくれるほか、もしこれが忠実な紹介であるならば1931年の時から野球がこんなに日本で活気があったのかとも思い知らされます。
China -中国-
三国志 Three Kingdoms ( 2010 / 日本2011 )
おススメ度:★★★★☆
映画でなく中国で放送されたドラマですが、映画を超える全95話の壮大な作品。
現在amazonプライムで配信中。(2020/10現在)
一般的な三国志のストーリーとしてよく知られている、実際の歴史を元に明の時代に創作された三国志演技をベースに、ややオリジナル要素を加えていている内容となっています。
3~4か月くらいかけて全95話というたっぷりある時間を十分に使い、ちょっとしたエピソードも丁寧に描かれていて、多くの人にとっても満足度の高い作品に仕上がっていると思います。
アマゾンのトップレビューの投稿でも触れられている通り、いい大人がガチで三国志を作り上げてくれています。
例えば三国志を知っている人でないとピンと来ないような、第1話で曹操が董卓を暗殺しようとするシーンや、その後の曹操と陳宮が呂伯奢を訪ねるシーンなど、ワンコーナーとも言える内容をそれぞれを数分(十数分?)かけてじっくりと描写してくれています。
横山光輝三国志を1回読んだだけでは、読破後に「そんなのあったっけ?」と思ってしまいそうな劉備が孫権の妹と婚約を結ぶシーンでは、なんとこのドラマでは数話に渡って描かれています。ざっと数時間。映画一本分です。
歴史ドラマは膨大な事実を追うことが命題となっており、どこか淡白な印象を受けるものも多いですが、逆に「そんな丁寧な展開でいいの?」と思ってしまうほど、人物ごとの個性を際立たせて描いてくれています。
顔の表情だけで葛藤している様子が伝わってきます。役者と声優の演技力も高く、引き込まれていきます。
ほかの三国志の映画などで扱われるのは1つの大戦だけだったりする中で、このドラマは横山光輝三国志とほぼ同等の三国志演義のストーリーの概要を網羅でき、きっと思い入れのある武将の1人や2人が出てくる大作となっています。今のところ、これまで特に何の思い入れも無かった、このドラマで準レギュラー的な存在となっている孫乾が出てくるとテンションが上がってきます。
ただしよく知られる桃園の誓いや、黄巾の乱などの三国志の冒頭でよく描かれるは出来事を初めとして、いくつかの有名な出来事はまるまるカットされてしまっているのがやや残念。
人物単位で見ても、三国志の中では有名な部類ながら、メインのストーリーにはあまり直接関わらない公孫瓚や孟獲、太史慈、劉封などは、登場がワンシーンであったり名前だけの登場となっています。かなりメリハリがついたストーリーです。
逆に魯粛や王允、曹丕といった人物にはかなりスポットが当たっています。
中国ドラマあるあるなのか、戦闘シーンがややアクロバティックすぎて冗長な印象を受けたり、要所要所で少し荒い作りが気になることがありますが、演技力の高さや、手の込んだ舞台演出、計15万人というエキストラの人数から、漫画やゲームで三国志に触れたことがある人にとっても、当時の臨場感を感じることができる必見のドラマかと思います。
3話に1回は号泣していた気がします。
相当な時間を見ていたので、文章も長めになってしまいました。
北京ヴァイオリン ( 2002 / 日本2003 )
おススメ度:★★☆☆☆
公開後、割とすぐにレンタルDVDで見た時に、感動して泣いていたことは覚えています。
もう一度見たいものの、配信などが見つからず…。
記憶では★3つ分くらいの感動を覚えた記憶がありますが、とりあえず★2つ。
アバター ( 2009 / 日本2013 )
おススメ度:★☆☆☆☆
この映画の世界観のモデルとなったのが中国の武陵源。
ストーリーは典型的なハリウッドアクションムービーといった感じで、それほど映画に造詣の無い自分としても特別目新しさは無かったが、世界観がただただ圧巻。
そして実際の武陵源の光景も、映画に負けず劣らず幻想的。よく壁紙や何かしらの背景でも使われているので、旅行に興味が無い人も「あ、見たことある」と思う人も多いのではないでしょうか。
武陵源自体、日本から日程を詰めれば4日~程度で訪問することができ、自然景観スポットとしては珍しく拠点となる張家界の空港も近いので、世界的な人気映画の舞台訪問としては、屈指の訪問のしやすさだと思う。
自分が訪問した時は少し天気が悪くて残念でした。
■ITINERARY
【5/2017】 WULINGYUAN,CHINA(中国 張家界 武陵源 旅行情報記録)
Indea -インド-
きっと、うまくいく ( 2009 / 日本2013 )
おススメ度:★★★★★
今のところ、自分の人生の中でナンバーワンの映画。
インド映画というと、見たことのない人からすると未だただ踊っているだけのイメージが強く、よく別のコミカルな音楽が当てられて、ネタになってばかりなものを目にする人も多いかと思います。
しかしインド映画の多くは、笑い、悲しみ、ロマンス、驚きといったあらゆる要素が1つの映画の中に取り入れられているマサラムービーと呼ばれるジャンル。それでいてバランスよくストーリーが練り上げられているものが名作と扱われるそうですが、この映画はその筆頭とも言えるかと思います。
その為、何が面白いと言われるとなかなか説明が難しいですが、自分のような単なるミーハーな映画初心者が見ても、あらゆる要素を詰めておきながら、くどさや強引さのようなものは感じずに、没頭感とバランスの良さを感じることができます。
特にこの映画の場合は、マサラムービーの要素に加え、舞台の一部がラダックの絶景で撮影されていることもあり、旅好きには堪らない作品となっています。
実際、主要なロケ地であるパンゴンツォを訪問した時は、公開から10年近く経っても「きっと、うまくいく」全面押しとなっていましたね。
映画自体は今見ても、全然古臭さを感じないかと思います。
マサラムービーといっても、要素は男の友情&ちょっとしたサスペンス、といった要素が強いでしょうか。でも周りでは女性の方が好きな人多いイメージです。
見終わった後の爽快感は格別です。
■ITINERARY
【9/2018】 LADAKH,INDIA(インド ラダック旅行記録)
秘境をぶっ飛ばせ! ( 2018 )
おススメ度:★★★★☆
インド北部のヒマラヤ山脈のスピティ谷に位置する山間の町を繋ぐ、ただ崖をダイナマイトでくり抜いただけのような超危険な道を走るバスや、トラック、乗り合いタクシーの運転手にフォーカスを当てたドキュメンタリー映画。
百聞は一見に如かずということで、予告編のYoutube動画を見ればその魅力が存分に伝わる。
作品時間52分ということだが、普通の映画1本見たくらいの満足感があった。
圧倒的なヒマラヤの光景と特異な文化を、ドライバーとそこに住む人々の奮闘と共に楽しめる、臨場感ある映像でした。
どうやら自分が自然豊かな光景が好きなタイプなので、似たこういった動画が上位に来てしまいます。
ホテル・ムンバイ ( 2018 / 日本2019 )
おススメ度:★★★★☆
実際に存在する高級ホテルであるタージマハルホテルで、実際に起きたテロ事件を題材にした映画。
銃を持ったテロリストがすぐ傍にいるのに、生身のホテルスタッフが1人でも多くのゲストを助けようとする様子を、緊張感あるストーリーで展開されていきます。
インド発のマサラムービーでは無いので、「きっと、うまくいく」のように途中で踊ることは無く、終始手に汗握る展開で進んでいきます。
個人的にはムンバイには行ったことが無いですが、訪れることがあったら間違いなくホテルの前で写真を撮ることになるかと思います。
あんな凄惨なテロ事件があったのにも関わらず、屈せず営業する不屈の精神といったところでしょうか。
個人的には主役の俳優が、「スラムドッグ$ミリオネア」の主役と同じ人だということにびっくりします。
スラムドッグ$ミリオネア ( 2008 / 日本2009 )
おススメ度:★★★★☆
映画好きでない人も皆知っている映画で、見た人は全員もれなく名作と口をそろえているかと思います。
旅行者としては、ダンスシーンでもあるムンバイ駅への訪問意欲が掻き立てられます。
Indea -インド- & Pakistan -パキスタン-
バジュランギおじさんと、小さな迷子 ( 2015 / 日本2019 )
おススメ度:★★★★☆
インドに関連ある映画が多めですが、それだけ異文化を味わえることができる映画が多いということかもしれません。
この映画はインドとパキスタンの宗教対立を背景とした、心温まるヒューマンドラマ。
インドで迷子になってしまったパキスタン出身の女の子を、宗教の壁を超えて何とかして故郷へ送り届けようとするインド人男性の物語。
これもおそらくマサラムービーの1つと言っても間違いないと思うが、誰が見ても非常に見やすい映画だと思う。
言葉以上にスケールの大きなストーリーで、重要な舞台がカラコルム山脈の綺麗な風景の中展開されるので、旅好きには堪らない。
Pakistan -パキスタン-
K2 アルピニストの影たち ( 2015 )
おススメ度:★★★★☆
K2への登山にチャレンジする登山家、ではなく麓のキャンプ地まで時には40kgに及ぶ荷物を担ぐポーターにスポットを当てたドキュメンタリー映画。
誰もが羨むその雄大な光景とは裏腹に、まともな教育を受けられなかったり、多くの子供を養うために、止む無くこの危険な仕事を受けざるを得ない現実を、圧倒的なリアリティと共に伝えられる。
普段自分が旅行中に見る光景について、「そうなのかな」と思いつつもどこか目をそらしてしまっていた現実を見せつけられる。
そうは言ってもこの映画の魅力の一つは、ただただ感心しかでない撮影困難な映像。54分間ずっと感嘆しか出てこない。
K2登山は無理でも、近くのフンザ辺りに旅行したくなる。ずっと前の2006年に訪問したことがあるが、確か時折出てくる麓の村みたいな光景だった気が。
そして当のポーターについて、ネパールでのトレッキングでもキリマンジャロ登山でも、同様のポーターが存在していた。
個人的には極力依頼せずにいたが、想像するだけで辛いのが分かるのに淡々と運んでいるので、どこか共感できず別世界にいる感覚を持ってしまっていた。自分自身の想像力を振り返ることにもなる作品。
Europe
France -フランス-
ダンケルク ( 2017 / 日本2017 )
おススメ度:★★★☆☆
第二次世界大戦で劣勢となったイギリス軍40万人規模の軍隊がフランスのダンケルクの街にドイツ軍に取り囲まれてしまい、そこからイギリス本国から派遣された船でドイツ軍の攻撃に遭いながらイギリスへ脱出を図るという、事実を元にしたストーリー。
日本ではあまり知られていないが、イギリスでは有名な出来事らしい。
臨場感と手に汗を握る展開はもちろんながら、指揮を執ったのがインセプションの監督ということで、他の戦争映画とは一線を画す、少し頭を使う展開も特徴的。
Googlemapの衛星写真などでダンケルクの街を見ても、普通の海岸線が広がっているだけだけれど、歴史的な大事件は何気ないところで起きていることを思わせる。
最強のふたり ( 2011 / 日本2012 )
おススメ度:★★★☆☆
パリ在住の富豪の元に、真逆の貧困世界に住むデリカシーゼロの移民の青年が世話係として雇われたことから始まる、二人の交流を描いたヒューマンドラマ。
内容は時にはブラックジョーク交えながらも、心温まり、穏やかな気持ちになれる映画で、間違いなく名作だと思います。
ただし、フォーカスが当たっているのは主役の2人のやり取りなので、あまり舞台のパリ自体にはそれほど意味が持たれていません。
舞台は富豪と移民がいそうな大都市であれば、ニューヨークでもロンドンでも良かったかもしれません。
それでも、時折、普通に描かれているパリの街並みは魅力的に映ります。
そして個人個人の芸術や恋愛に対する視点が1つの重要なストーリーとなっているので、臨場感があり、まるで自分もフランスに在んでいるかのような錯覚にもなるので、そういった意味でも興味深い作品かと思います。
East Europe -東ヨーロッパ-
異端の鳥 ( 2019 / 日本2020 )
おススメ度:★★★☆☆
第二次世界大戦中の東ヨーロッパのどこかで、ユダヤ人迫害から1人逃げ続ける少年の話。
リンク先の公式サイトに詳細が記されていますが、ポーランドで発禁となった図書を元に、チェコ、スロヴァキア、ウクライナの各国合同制作で2年の歳月をかけて撮影された大作のようです。
また、具体的な地域を想起させないように、スラヴィック・エスペラント語という人工言語を使用しているようです。
テーマがテーマなだけにおススメ度を付けるのも躊躇われます。ただし言えることは、間違いなく気軽には見ることができない作品で、だけれど一度は見ておくべきものかと思います。そういった意味で★3つにしてみました。
このストーリーは、(おそらく)事実かどうか分からないようですが、この作品の特徴は、あまりに酷い少年が過ごす環境の生々しさ。
ホラー映画のような緊迫感とは違い、鑑賞後にかなりの疲労感を感じてしまいます。ただただ救いが無い。
映画に詳しい人にとっては、その演出方法にも着目されるようです。
まず注目されているのが、ある種の映像美となる白黒画面での展開。余計な情報を排除し、対象に集中させられます。
そして、3時間近くあるのにも関わらず、主人公の少年のセリフがほぼ発せられません。映像だけではなく言葉も余計な説明も排除し、表情や行動、カメラアングルで、登場人物の感情をすべて表現しています。
今、東欧や中欧を旅行するだけでは、このような時代背景を身に染みて実感することはないかと思います。そういう意味では旅行に行くよりも、この映画を1つ見た方がずっと当時の様子を知ることができるのではないかと思います。
Poland -ポーランド-
シンドラーのリスト ( 1993 / 日本1994 )
おススメ度:★★★★☆
言わずと知れた第二次世界大戦のホロコーストやアウシュヴィッツを題材にした映画。
自分はアウシュヴィッツを訪問した後に、衝撃のあまり日本に戻ってきてから映画を見たが、できることなら訪問前に見ることをお薦め。
どうやら映画の内容がどこまで事実に即しているか物議を醸す点があるようだが、人気の映画の映画の宿命か。
■ITINERARY
【4-5/2019】 CENTRAL EUROPE(中欧旅行情報記録)
Lithuania -リトアニア-
杉原千畝 スギハラチウネ ( 日本2015 )
おススメ度:★★☆☆☆
タイトルの通り、第二次世界大戦中の杉原千畝がユダヤ人へのビザを発給して多くの命を救ったストーリー。
ただしその舞台がリトアニアだったということは、あまり知られていないかもしれません。さらには、今の首都であるビリニュスではなく、カナウスという現在の第二の都市であることなど。
映画は杉原千畝の様子が中心に展開されるため、必ずしも旅情を駆り立てる内容ではないかもしれませんが、ドイツとロシアという大国に挟まれたリトアニアやユダヤ人達の緊張感であったり、その当時の社会の様子が個人的には興味深かったです。
少し重要な役回りで、オランダの大企業フィリップスが登場したりするなど、当時の温度感が伝わってきます。
映画が終わる頃には杉原千畝だけでなく、リトアニアに対しても特別な思いが生まれてきます。
バルト三国は綺麗な街並みで人気のエリアなので、一緒に回ってみたくなります。
Africa
Rwanda -ルワンダ-
ホテル・ルワンダ ( 2004 / 日本2006 )
おススメ度:忘れた…!
1994年のルワンダ内戦をテーマにした事実を元にした映画。
上記の「ホテル・ムンバイ」と同じく、ホテルスタッフが主役。
公開直後頃に鑑賞したため、細かいストーリーなどを忘れてしまいましたが、見た直後には衝撃を感じ名作だったと感じていたという記憶は残っています。
そしてこの映画の大きなポイントの1つは、ぼけーと見ていた視聴者が突然当事者となるワンシーンがあります。
少し大げさかもしれないでsが、そのシーンだけは記憶に残っています。
当のルワンダは、まじめな国民性で経済成長がアフリカの中でも著しいらしい。
未だ多くの日本人が、まだ内線の記憶で止まっていると思われるが、実際に訪問していつかイメージと現実のギャップを楽しみたいと思っている国でもあります。
South Africa -南アフリカ-
インビクタス/負けざる者たち ( 2009 / 日本2010 )
おススメ度:★★★☆☆
1990年に南アフリカでマンデラ大統領が誕生し、アパルトヘイトが撤廃された時期、人種間対立などでまとまっていない国がラグビーを通じて1つにまとまっていく様子を描いた、事実を元にしたストーリー。
ラグビーワールドカップ2019の時期も、ラグビーをより一層楽しむためにオススメしている人も多かったですね。
自分も大人しくその頃見ておけばよかったのに、ラグビーが終わったずっと後、コロナ自粛期間に鑑賞。
ただしそれでも、心揺さぶるストーリーに、開始3分から終了まで、基本うっすらと涙腺が緩みっぱなしでした。
感動的な映画の内容もさることながら、
今、こうして生きている時代は、これまで生きてきた人たちの人生の歴史が組み合わさって成り立っているものだと感じさせてくれます。
今自分たちが巻き込まれているコロナも、後で振り返ると歴史の1ページになることは間違いないと思いますが、自分たちがその歴史の中に生きている登場人物の一人なのかもしれない、と気付かせてくれます。
そう考えると、自粛などに対しても、多少の意義やモチベーションが高まってきます。あの頃、自分たちは歴史の登場人物の一人としてどう生きていたのか。
そういう意味では、コロナの自粛時期を初め、何か不遇な時期に巻き込まれた時に見ると感じるものが大きい内容かと思います。
■ITINERARY
America
USA -アメリカ-
42 〜世界を変えた男〜 ( 2013 / 日本2013 )
おススメ度:★★★☆☆
事実を元にした、メジャーリーグ初の黒人選手のストーリー。
第二次世界大戦直後の1947年に初出場した頃の話となっています。
聞くまでもなく、テーマは差別。
球団関係者、チームメイト、対戦相手、待ちの人々などなど、周りの人が彼に対してどう考え、接していたのかが描かれています。
最後、というか途中から涙無しには見れません。
タイトルの42は、今は全チームで永久欠番になっている彼の背番号。
見る前に知っておきたい情報としては、日本人にお馴染みのドジャース、1957年までは本拠地はニューヨークだったんですね。
作中でチーム名とともにアメリカの地名が飛び交ってくるので、少し混乱してしまうかもしれません。
つい70年ほど前、団塊の世代が生まれた頃まで、ニューヨークでもこんな差別が行われいたとはなかなか想像し辛くなってきました。
世界は少しづつ良くなっていると信じたい。
そしてニューヨークへ行く機会があったら、こんな歴史的なスポットへ行くのもよさそうです。今は普通の住宅街のようですが。
ハドソン川の奇跡 ( 2016 / 日本2016 )
おススメ度:★★☆☆☆
2009年のニューヨークラガーディア空港離陸直後にバードストライクに遭い、まさかのハドソン川に不時着水をすることで最悪の事態を防いだ飛行機事故を元にしたストーリー。
当時日本でも大きく報道され、映画自体もヒットしていたので、知っている人も多いかと思います。
ただ、これが実際にどの辺りに着水していたのかを知っている人は少ないかもしれません。
調べてみると、マンハッタンのすぐ脇。タイムズスクエアやセントラルパークからも徒歩圏内といったところです。
個人的には、もう少し郊外かなとか思っていましたが、まさかこんな中心地で着水していたとは。
ニューヨークへ行く際は、一度視察をしてみたいものです。
映画自体はクリントイーストウッド監督により、素人が見てもとても、その事故の詳細がよく再現されているのが分かり、完成度の高い作品でした。
ストーリーは事故自体よりも、そのヒーローとなった機長によりフォーカスを当てています。メディアを通じてでは知ることのできない、それまでの生い立ちや経験から、事故後の苦悩を含んだ個人の心理描写が中心になっています。見ている方も感情移入してしまい、全体的にハラハラドキドキします。ただ、時間も90分強とやや短く、よくあるアメリカンストーリーパッケージを表面的に当てはめたような印象が否めなかったでしょうか。
LIFE! ( 2013 / 日本2014 )
おススメ度:★★★☆☆
ニューヨークの出版社の写真管理部に勤めながら、周りの人の世話をして結婚もせず単調な日々を過ごす主人公。
自分にこれといった体験が無いことにコンプレックスを感じている中、ある日、写真家から送られた大事なネガが見つからず、連絡先もハッキリしない写真家を訪ねに行くというストーリー。
これがその写真家はやはりなかなか見つからず、その道程はどんどんスケールの大きなものになっていく…、というバックパッカー的な旅好きは一度は憧れる経験をしていきます。
メインテーマは旅というよりも、そのタイトルが示す通り自分が満足いく人生の生き方にフォーカスが当たっています。
旅自体はそれを体現していくための手段ではあるけれど、ただこれが美しい映像美やハラハラする演出などもあり、旅映画といっても過言ではないかと思います。旅映画自体がそういうテーマのものが多いかもしれないけれど。
全体的に緊張感とコミカルが同居するような演出で、「きっとうまくいく」が好きな人はきっとハマるのではないかと思います。
アメリカ映画なので、インド映画の「きっとうまくいく」よりもとっつきやすい一面もあるかと思います。そもそもこの映画は日本でも、評判になったかと思いますが。
逆にこの映画が良かった人は「きっとうまくいく」もよいと感じかと思います。
それにしても、こんな映画が製作されるなんてアメリカ人も大変だなあ…。
Only the Brave ( 2017 / 日本2018 )
おススメ度:★★☆☆☆
アリゾナ州の地方都市プレスコット市の「ホットショット」と呼ばれる森林火災消防隊を主役に、森林火災の恐怖と、タイトル通りのその火災に立ち向かう消防隊の使命感を表現した映画。
実際に映画の中では、実際にニュースにもなっている2013年に現地で発生した山火事を題材にしています。ただしどうしても日本人にとっては、ニュースで「山火事が発生」というフレーズであったり、時折「住宅街まで届いている」と聞く程度で、具体的な想像を持つのは難しいと思います。
この映画を見れば、少なくとも「山火事」というものがどのようなものが想像が持てるようになるし、旅好きにはアメリカ中西部がどのようなリスクと文化を抱えている地域なのかを知ることができるのも興味深いです。
当の内容については、実際に起きた災害をテーマにしているとはいえ、何の情報も持たずに見始めることをお薦めいたします。
個人的には、amazonプライムビデオのレビューで、おそらくシステムで自動抽出されたピックアップされたキーワードに「防火テント」が上がっていたのが良かったです。これはネタバレではないです!
ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い ( 2009 / 日本2010 )
おススメ度:★★★☆☆
熱狂的なファンが多いと思われるコメディ映画。
ラスベガスで馬鹿やっている様子を見て、ここまででなくても、こんなバカな旅をしてみたいとも思ってしまう…!
The South Pole -南極-
南極料理人 ( 日本2009 )
おススメ度:★★★☆☆
1997年に海上保安庁から調理担当として派遣された方の実話のエッセイを元にしたストーリー。
映画自体の内容もさることながら、男8人で極限状態の地で生活している様子がバックパッカー的には、どこかの日本人宿で沈没してすべての生活が宿の中で完結してグダグダしている時のことを思い立させてくれる。
もう一度、あのグダグダ旅行をしてみたい…!
この映画の他にも、同じエッセイを元に深夜ドラマで放映していた面白南極料理人が個人的にはかなりオススメでした。30分弱12話のストーリーなので、気軽に見れます。
また、昭和基地に派遣されていた方が、その様子をYouTubeに投稿している動画も興味深くて、よく見てしまいます。